相続トラブルファイル

生前贈与して兄妹の平穏を保とうとした父の思い

生前贈与して兄妹の平穏を保とうとした父の思い

私の実家はいまでこそ都心の高級住宅街の一角といわれる場所になりましたが、私が育った頃はまだ緑の多い田舎の景色が残っていました。父が建てた家はさすがに年数が経過して古びた印象になっていましたが、兄夫婦と子供たちがそこで育ち、今では父がなくなって兄夫婦だけが住んでいる状態になりました。

兄弟が多い私たちが将来遺産相続でもめたりすることのないようにと、父は元気だった時に私たち兄弟を集めて1人400万円ずつ渡し、これで残りは全て兄に渡すことで納得するようにと諭され、みなそれぞれに父の思いを理解したと思っていました。

5人も兄弟が居れば兄以外の4人分の1600万円というお金を用意するのは父にとっては簡単ではなかったと思います。父のそんな気持ちを私も兄や姉も十分にわかっていたはずなのに、実際に父がなくなって遺産相続の話になった時に、あのお金は関係ないと兄妹の一人が言い出し、父の遺産は兄弟みなで分けるべきだと言い出しました。

実際に父の遺産にはほとんど現金は残っておらず家と土地だけなので、もしこの兄の言うように相続権を請求するなら長男夫婦は家と土地を手放すしかありません。生前の父の思いを踏みにじるような身勝手な言い分には長兄を含め私や他の兄弟は勿論反対です。でも、頑として譲ろうとしない1人の兄の言い分に対してどうするのが良いのか、どうすれば父の思いが叶うのか一度弁護士に相談することにしました。

DATE:2016/09/30